たっぷりして角丸のガラスらしい形のキューブに、葛飾北斎の著名な作品「富嶽三十六景」を施したペーパーウェイトです。小ぶりなサイズの文鎮にきゅっと収まった名景たちからは、スナップ写真や絵ハガキのようなしみじみとした愛らしさも感じられます。小さな中にも大きな世界の広がりを感じさせるのは北斎の絵の巧みさでしょう。
「御厩川岸より両国橋夕陽見」は墨田区にゆかりのある一枚。今の両国の北側と蔵前を結ぶ渡し舟のあった場所、御厩川岸(おんまやがし)から、乗合船で暮れなずむ東京の町を眺める人々が描かれています。
シルエットになって浮かぶ富士山や街並み、絹糸のように描かれた隅田川の波が、叙情的な一枚です。